一人暮らしをしていると、意外と難しいのが「毎日の食事」です。
自炊に挑戦しようとしても、仕事や勉強で疲れ果てた夜に包丁を握る気力は湧きません。外食やコンビニに頼る日々が続くと、栄養の偏りや食費の増加、健康への不安が積もってきます。
そんな中で近年注目を集めているのが「宅食(たくしょく)」、いわゆる食事の宅配サービスです。この記事では、実際に一人暮らしで宅食を利用して感じたメリットやデメリット、生活への影響について、リアルな体験を交えて紹介していきます。
宅食とは?──「調理済み」が届く安心感
宅食は、あらかじめ調理された食事が自宅に届くサービスです。冷蔵や冷凍で配送され、電子レンジで温めるだけで食べられるものが主流です。メニューは和洋中さまざまで、カロリーや栄養バランスが考えられているものも多く、健康を気にする人にはありがたい存在です。
食材キットのように「自分で調理する」タイプではなく、すでに完成された食事が届く点が、一人暮らしの人にとって大きな魅力です。仕事で帰りが遅くなっても、レンジで数分温めれば栄養のある食事が用意できる。これがどれほど心強いことか。
宅食を始めた理由
筆者が宅食を使い始めたのは、在宅勤務がきっかけでした。
外出の機会が減り、自炊に時間を割けるはずと思いきや、会議や業務に追われていつの間にか昼を抜いていたり、夜はカップ麺で済ませたり。栄養の偏りと疲労が重なり、体調を崩しかけたときに「宅食」の存在を思い出しました。
最初は「高いのでは?」「味はどうなのか?」という不安もありましたが、実際に使ってみると、想像以上の満足感と生活の改善がありました。
宅食のメリット
1. 食事の準備にかかる時間がゼロに近づく
一人暮らしで料理をしようとすると、「買い出し→調理→後片付け」という一連の流れに毎回1時間以上かかることもあります。その時間をすべて省略できるのは大きなメリットです。
温めて3分、食べて10分、捨てて終わり。後片付けもほとんど不要。
浮いた時間で趣味や勉強、休息に充てることができ、心のゆとりが生まれました。
2. 栄養バランスの取れた食事
一人暮らしで栄養バランスを気にしながら自炊を続けるのは、実はかなり難しいことです。つい好きなものばかり作ってしまい、野菜不足や脂質過多に陥りがちです。
宅食は管理栄養士が監修していることが多く、野菜や魚、豆類など、自分ではあまり調理しない食材が自然と摂れるようになっており、健康面でも安心できます。
3. 節約になるケースもある
意外かもしれませんが、外食やコンビニ食を続けるよりも、宅食の方が安く済むケースがあります。1食あたり500〜700円前後で済むプランもあり、外で定食を食べるよりはリーズナブルです。
何より、「余計な買い物をしない」「食品を無駄にしない」ことで、結果的に節約につながることも。
4. 食べすぎ防止にも効果あり
宅食は1食ごとに量が決まっているため、ついつい食べすぎてしまうことが少なくなりました。特に夜遅くにお腹が空いたとき、コンビニで買い込んでしまう習慣が減り、体重管理にも効果がありました。
宅食のデメリット
1. 冷凍庫がすぐいっぱいになる
一度に5食や10食届くプランを選ぶと、冷凍庫がすぐに埋まってしまいます。ワンルームに備え付けの小さな冷蔵庫では足りず、冷凍庫の整理が大変です。
これを解決するためには、食べるペースに合わせて少量ずつ注文するか、冷凍庫を拡張するしかありません。
2. 味の好みに合わないこともある
栄養バランスを優先している分、味付けが薄めに感じたり、自分の好みに合わないメニューが含まれていたりします。
とはいえ、最近の宅食はメニューの自由度も上がっており、苦手な食材を除外できるオプションも増えています。
3. 「料理しないこと」への罪悪感
これは精神的な側面ですが、宅食ばかりに頼っていると「ちゃんと料理しなきゃ」「自炊ができない人間になってしまう」という漠然とした罪悪感を抱くことがあります。
でも、それは考えすぎ。体調やライフスタイルに合わせて使い分けるのが賢いやり方だと、自分に言い聞かせています。
宅食で変わった生活
宅食を始めてからというもの、食事に関するストレスが激減しました。
「今日は何を食べよう?」という迷いが減り、「作る気力がない」という言い訳も消えました。
また、時間と心に余裕が生まれたことで、読書をしたり、資格勉強を始めたりと、生活そのものにポジティブな変化が起きました。
宅食は「生活の保険」
宅食を日常的に使うか、必要な時だけ使うかは人それぞれですが、一人暮らしの身にとっては「生活の保険」のような存在です。
料理をしたくない日、疲れが溜まっている週、食生活が乱れがちなタイミングで、そっと支えてくれる。まるで、もう一人の自分が料理してくれているかのような安心感があります。
おわりに
「自炊こそ正義」「料理ができてこそ自立」——そんな価値観に縛られていた頃は、宅食に頼るのは「怠け」のように思えていました。
でも今は、そうは思いません。限られた時間と体力の中で、どうやって自分を労わるかを考えた結果の選択肢が宅食だったのです。
一人暮らしをもっと快適に、もっと健康的に過ごすために。宅食は、あなたの生活を支えるもうひとつの「家族」になり得る存在かもしれません。
